極上お姫様生活―2―【完】
◎LOVE*LIFE/#09
揺れ惑う決意
「未來……」
八木原君が話そうとしてる内容は、思っていた何倍も衝撃的で破壊的なのに。
簡単に信じるなんて、どうして言えたのだろう。
好きだから?愛してるから?
―――そんな、単純なものなの?
「未來?」
あの学園祭の日。
未來ちゃんは友達と遊びに来てて、途中ではぐれちゃって。
翼と松神先生が一緒について回る事になって―――。
「あたしの友達の、未來ちゃんですか」
八木原君は一瞬苦い顔をして、小さく頷いた。
「森元、未來」
未來ちゃんが関わってくるの……?
あたしが未來ちゃんと会ったとき、確かに八木原君はそこにいた。
でも、未來ちゃんの名字まで知ってるのはおかしい気がする。あたし……あの時言ってない、よね?
「あの後、会ったんだよ俺たち。連絡先も知ってる」
未來ちゃんと八木原君は繋がりがある。
そう考えただけで、胸の奥がチクリ痛み出す。黒くもやもやとしたものが溢れ出そうになるのを、必死に堪えた。