極上お姫様生活―2―【完】
何で笑っていられる?
何で楽しそうにしていられる?
脳味噌、腐ってんじゃねぇのか。
「あー?んだお前」
「ここの生徒だよ。いいからその女から離れろ」
よろり未來が立ち上がって、こっちに向かってこようとする。それを制するように赤毛の男が未來を後ろから抱き締めた。
「ダメダメ、君はこっちにいてもらわないと」
「やっ、離してよ!」
バタバタと男の腕の中で藻掻く未來。嘲る男の顔が無性に腹立たしくて、俺は目の前の金髪を蹴り上げた。
―――バキ。何かが折れたような、そんな音がする。
「っ…!!?」
「離せっつってんだよ、聞こえねぇのか?」
未來を掴んでいた赤毛は一瞬目を見開き、すぐにニヤリ笑った。
「へっ、この女がそんなに大切か。惚れてんのかよっ!」
赤毛が一発、俺を殴る。あ、やべ油断したわ。
だってこいつ、惚れてるのか、なんて言うから。