極上お姫様生活―2―【完】
「心底惚れてるらしいな、じゃあその女のためにちょっと我慢してもらおうか!!」
長髪の男が俺を後ろから押さえつけ、赤毛が俺を殴る。二発目。
「やだっ…やめなさいよ!」
未來が泣き出しそうな声を上げて、ハッと我に返った。
「い…ってぇな……」
殴られた頬に少しの痛みを感じる。唇を噛み締めたら、血が滲んで鉄の味がした。
「……心底惚れてる、か」
脳裏に蒼空の笑った顔が浮かぶ。にやにやしてる自分に気付いて、恥ずかしくて手で口元を覆った。
……自分キモい。
「別に、隠してたつもりはねぇんだが…」
「っ、危ない…!!」
突き出してきた拳をひょいとかわし、逆に相手の腰骨辺りに蹴りをくれてやる。
そう何度も殴られちゃ格好がつかない。それに痛ぇのはちと勘弁。
「俺は愛してるぜ。これから先も、ずっとな」
「!!」
いち、に、さん……!!っと、適当に殴り付ければ男たちはあっさり逃げていく。
「……」
……何か蒼空の事考えてたら無性に逢いたくなってきた。