極上お姫様生活―2―【完】
いやいやいやいや。ちょっと待て、ちょっと落ち着け。いや俺が落ち着け。
「まじかー……」
勿論、はなから付き合う気なんか一ミリもなかったし、告白された今までもそれは変わらない。
俺が好きなのは浅村蒼空、ただ一人だ。
とりあえず何て送り返したらいいのか……。未來は蒼空の友達だし、なるべく傷付けたくない。
「友達でいよう……とか、」
いや曖昧な関係を続ける方が、彼女にとって残酷なことなのか?だったらいっそ……。
「もうメールするのやめよう……」
これじゃあ直球すぎるか?
あれこれ考えてるとブツブツ声に出ていたみたいで、姉が何やら楽しそうな顔をして俺のすぐ後ろに回り携帯を覗き込んだ。
「さっきからなに悶えてんのよーお姉ちゃんが相談にのってあげましょうか?」
……お節介だ。
「いやいい、大丈夫」
「何が大丈夫なのよ、ほらちょっと貸しなさいって」
「ちょ…っ!」
問答無用で携帯を取り上げられてしまった。