極上お姫様生活―2―【完】
「告られてんじゃないの!あんたも隅に置けないわねー」
「うっさい」
最初はキャッキャと面白がって騒ぎ立ててた姉も、ふと何かを思い出したように笑うのを止めた。
……?
「あんた……好きな子いるんじゃないの」
「……」
姉はこんな時ばっかり鋭いからほんと嫌になる。
「確か蒼空ちゃん、だっけ?」
は……。
「っ!?何で知って……っ!」
「携帯見た」
なんの悪気もなくさらり言って退けた姉を、さすがに殴りたくなった。女に手は上げないけど。
「蒼空ちゃん専用フォルダまで作っちゃうって、どんだけ惚れてんのよ」
ハッハッハと鮮やかなまでの高笑いを俺に浴びせる。ああ、今すぐにでもロックを掛けたい。
「で、興味もない女から告られて非常に迷惑してると」
「別に迷惑とかじゃねぇけど、」
「なに生温いこと言ってんの。大がつくほど好きな女からじゃないんだから、迷惑以外の何物でもないでしょうが」
姉はサバサバした姉御肌タイプな故、思ったことは包み隠さず吐き出す。要するに優しさが足りないんだ、優しさが。