極上お姫様生活―2―【完】
「うっし!じゃあ蒼空の笑顔も見れたし、帰って勉強するかな」
勉強…そっか、勉強しなきゃいけないんだった。
カレンダーを見れば、試験まで一週間を切っていた。
「あーあ、どうせ赤点祭りなんだろうけど。なぁ?」
「何で僕を見るんだよ。赤点祭りなのは遊哉一人だろ」
そういえば橘君、勉強苦手なんだっけ…?
「あ、あの…よかったら、一緒に勉強しませんか?」
迷惑を掛けてしまった分恩返しがしたいという気持ちと、あたしもちょっとやばいかなという気持ちが半々で。
咄嗟にそんな事を言ってしまっていた。
「え?」
「あ、え、いやその…あたしの勝手なんですけど……少しでも力になれたらな、なんて」
何だか言い訳みたいになってしまった…。
でも橘君は優しく笑ってくれて。
「よろしくお願いしますっ」
そう言ってくれるんだ。