極上お姫様生活―2―【完】
「……じゃなくて」
邪魔しないでくれ遊哉。いや、別に仕方のないことだけど。
もう一度ため息をついてから、画面に視線を落とす。やっぱり一度……会うべきか。
きちんと話さないと向こうも納得しないだろうし。
日時を決めよう、と連絡すると、数十秒で返ってきた。
――――――――――
斎くんが決めて。
あたしはいつでも。
――――――――――
2泊3日の旅行が終わってすぐ、俺は未來と待ち合わせした場所で用もなく携帯をいじっていた。
ぼんやり、旅行のことを思い出す。
周りの奴らが、みんな動き始めている。蒼空に想いを伝えてる。
ぼやぼやしてたら、きっと蒼空は今よりもっと遠くに行っちまう。手が、届かなくなっちまう。
それが何より怖かった。蒼空が誰かの女になるなんて、考えるだけで気が狂いそうになる。
だから俺は決めていた。
未來と会って、きちんと話して、謝って、事が片付いたら……蒼空に気持ちを伝えよう、と。
好きだと、告白しようと―――。