極上お姫様生活―2―【完】



そのすぐ後の事だった。……蒼空に、大好きな蒼空に告白されたのは。




内心、すげぇ嬉しかった。もうどう言い表すべきか分からないくらい嬉しくて、今すぐ抱き締めてやりたかった。






でも未來の笑った顔が脳裏にこびりついて離れなくて、俺は蒼空の手をとってやれなかった。



泣かせないと啖呵切ったけど、蒼空と付き合えば未來が黙っていないのは明白だし。







今はまだ……一緒にいない方が……。






自分勝手な考えで、自ら一番望んでた未来を手放した。










「……っ、」



‘全部忘れよう、お互い’





酔っ払った蒼空に好きだの愛してるだのほざいといて、翌日にはいとも簡単になかった事にした。



忘れるなんて、俺の方が無理なのに。忘れてなんて、ほしくないのに。







蒼空のためを思って離れたことが、最悪の形で蒼空を傷付けていたなんて気付かずに。








でも、それでも俺は決めていた。




一日でも早いうちに、未來と話をつけよう。






全部終わったら、今度は俺から言うんだ。もう二度と、蒼空の手を放さないために。





< 76 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop