極上お姫様生活―2―【完】
あたしが今できること
「まだ片ついてないけど、……蒼空に話しておきたかった。誤解されたくねぇから」
話してくれた。全部、全部……話してくれた。
未來ちゃんがそんな事を言ってたなんて凄くショックだけど、今は悲しみよりも八木原君への気持ちの方が大きい。
「ありがとうございます、話してくれて」
八木原君は一瞬あたしを見て、すぐに目を逸らしてしまう。
「……信じて、くれるのか」
不安そうに眉を下げる八木原君が、何だかとても愛しく思えて。
「当たり前です」
にっこり笑ってその大きな手を握れば、八木原君も微笑んで強く握り返してくれた。
「話をつけましょう、未來ちゃんと」
これはあたしの問題でもあるんだから、八木原君だけに任せるわけにはいかない。
「いいのか?」
お前が傷付くかもしれないんだぞ、とあたしに気を遣ってくれる。
……未來ちゃんはあたしの大切な友達。だからこそ、うやむやにしておきたくない。
「どんな結果になったって構いません。あたし、未來ちゃんを信じています」
未來ちゃんと過ごした日々は、本当にキラキラしてて楽しいものだったから。