極上お姫様生活―2―【完】
「お前に告白するのは、まだ先か……」
「……そうですね」
なんて待ち遠しい日々。
早く、早く形にしたい。みんなに自慢して、堂々と手を繋いで、いっぱい愛し合いたい。
今すぐにだって心の準備は出来てるけど、やっぱり駄目なんだよね。
まずは未來ちゃんと会って、ちゃんと話さないと。
「その未來って女、泣かしていい?」
いきなり、本当にいきなり、すぐ後ろから声がしてビクリ肩が震えた。
「んだよ遥登、いたのか」
八木原君は前を向いたままダルそうに呟く。
「は、遥登君……」
どぎまぎしながら振り向けば、椅子の背もたれの上で頬杖をついている遥登君と目があった。その表情は、明らかに不機嫌を表していて。
「蒼空にひどい事するやつは女でも許さない。ね、僕に任せてよ」
遥登君は相変わらずの可愛い声で無邪気に笑うけど、……目が笑ってないって、こういう事を言うのですね。
「遥登、お前余計な事すんな」
「何で?何が余計な事なの?」
八木原君は呆れ顔でため息をひとつ吐き出す。ゆっくり遥登君に向き直ると、いいか?と眉間を軽く小突いた。