極上お姫様生活―2―【完】
波乱の勉強会
「何々、蒼空が勉強教えてくれるの!?だったら僕も参加するー!」
とびきりの笑顔を咲かせて、遥登君が手を上げる。
「蒼空一人じゃ手に負えないだろ。俺も参加する」
あくまでも仕方なく、という風に櫻田君が挙手すると、橘君はその手をはたき落としながら二人を睨んだ。
「遥登は赤点の心配ないんだからしなくていいと思うぞー。湊、余計な心配は無用だ。……勉強会は俺と蒼空だけでやる」
冷静にそう言いながら、橘君はゆっくりあたしに近付いてニコリ微笑む。
相変わらず素敵な笑みですね!惚れ惚れしちゃいますよ。……て、何か近付きすぎじゃありません?
「ちょ、」
「ダメだってば!今みたいに何するか分かんないじゃないかっ!」
慌てて、あたしと橘君の間に遥登君が割って入った。そのままあたしの腕を、自分の背中に隠すように引く。
「泣かせるような事はしねぇから安心しろよ。…あ、いやでも違う意味で啼かせちまうかも」
あたしにはその意味が分からなかったけど、遥登君はばっちりだったみたいで。