極上お姫様生活―2―【完】


あたしが今できることは、未來ちゃんと話し合って本心を聞くこと。






「……未來ちゃんに会ってきます」



「俺も行く」






間髪入れずに八木原君がそう言ってくれるけど、あたしは静かに首を横に振った。







「安心しろって、殴ったりしないから」




ふっ、と苦笑する八木原君。分かってます、そんなことくらい。






「あたし、八木原君に頼ってばっかりです。……たまには、自分だけの力で何とかしたいんです」



一緒に行ったらきっと、あたし何も話せなくなる。八木原君に全部代弁させてしまう。信じてるからこそ、一人で行きたい。






「でも、もし話し合いだけじゃ済まなかったら……」



「そうだよ!何してくるか分かんないじゃん!」






八木原君も遥登君も最悪の状況を予想して、あたしを心配してくれる。



「大丈夫ですっ、あたしを信じて下さい。……それから未來ちゃんのことも」






きっと絶対、理由があるはずなんだ。未來ちゃんはひどい子じゃないって、信じたい。




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