極上お姫様生活―2―【完】
「あたし、未來ちゃんが大好きだよ。これからもずっと……親友でいたい」
「……」
「でもね、……八木原君のこと、諦めたくない」
さっきまで半べそだった蒼空が、別人のように凛と顔を上げる。
彼に対する気持ちだけは、真っ直ぐ胸を張ってあたしに伝えようとしてる。
嘘、偽りない気持ちを。
「……たとえ未來ちゃんに憎まれたとしても、これだけは譲れないの」
覚悟は決まっているらしく、あたしが何を言っても自分の意思を曲げる気はないみたい。
「……、」
そんなに力むことないのに。
だって。
だってあたしは。
「あたしは蒼空ちゃんが好きだから、蒼空ちゃんの幸せを願うよ」
「え、?」
「男なんて簡単に裏切るし、最低なものだと思ってる。……だから八木原斎が蒼空ちゃんのこと好きって気付いた時、絶対に実らせたくなかった」
蒼空が傷付くのなんて、耐えられないから。
「でも……本当に蒼空ちゃんを傷付けていたのは、あたしの嫉妬心だったんだね」
蒼空を好きな気持ちを、八木原斎に負けたくなくて……昔の約束引きずって、執着して、蒼空を苦しめてたのはあたし。