極上お姫様生活―2―【完】
「あたし、最低だね……」
一番大好きな友達の幸せを願えないなんて、ほんと最低。
「未來ちゃん……っ!」
自嘲して笑えば、蒼空はあたしの手を強く握る。
ポロポロ涙を溢しながら、何度もあたしの名前を呼んだ。
「あたしにとっては、八木原君も未來ちゃんも大切なの!どっちかなんて選べない……どっちも大好きなの!!」
「っ、」
「何も変わったりしない。未來ちゃんとあたしは、これからも一生友達でしょ?」
言葉ひとつひとつにずっしりと重みがあって、でもあたしの心はどんどん軽くなっていって。
じんわり温かいものが胸いっぱいに広がったのを実感した途端、涙が溢れる。止めどなく、溢れる。
「ごめん……、ごめん……っ」
蒼空が大好き。これからも……大好き。
「でもやっぱり、八木原斎は好きになれない」
「え?」
「蒼空、あんまりのめり込んじゃ駄目だよ!?騙されてからじゃ遅いんだからね!!」
八木原斎、蒼空を泣かしたら許さん。
「八木原君はそんな人じゃないってばあ!!!」