極上お姫様生活―2―【完】
「何よ、固まっちゃって。どうしたの?」
あたしの手から落ちた携帯を拾いながら、未來ちゃんは笑う。でもすぐにあたしの様子に気付いて。
「……蒼空ちゃん?」
震えがとまらない。何で、どうして。どうして今更―――。
「け、携帯……っ、」
事情の分からない未來ちゃんに何とか伝えようとするけど、言葉を紡げない。それでも必死に携帯を指差すと、未來ちゃんは怪訝そうな顔で携帯を覗きこんだ。
表情が、一変する。
「っ、!!!?何でこいつが……」
「わか、分かんない……どうしよ、どうすればいいの、」
頭が真っ白になって何も考えられなくなる。だって、こんなのおかしい。
大体どうして、あたしにメールができるの?アドレスなんて、とっくの昔に変えてるのに。
「落ち着いて蒼空ちゃん。こんなもの、無視してればいいんだよ」
「でも……、」
未來ちゃんは小刻みに震えているあたしの手を強く握ってくれる。
「アドレス変えれば大丈夫だから。ね?」
「うん……分かった」
どうして連絡がくるの。二度と関わりたくない―――須賀、楓汰から。