極上お姫様生活―2―【完】
「っ、ん……っ」
苦しくなる息。霞む目の前。……でも、離してほしくない。
何度も角度を変えながら、余裕のないキスの雨を降らせる。
「、っは……」
「傍にいる、……放さねぇ」
ぼんやりとした意識の中で八木原君の声だけが響く。
あたしはうんうんと頷きながら彼をぎゅっと抱き締めた。ここに八木原君がいてくれる。……何も怖くない。
「八木原君……好きです」
「っ、蒼空……」
あたしは八木原君と幸せになりたい。他の誰でもなく。
その気持ちが抑えきれなくて、めいいっぱい背伸びをして自分から唇を押し付けた。
好き、好きだよ。
八木原君は、あたしの腰に手を回して引き寄せながらそれに応えてくれた。
八木原君も、同じ気持ちでいてくれてるって……ちゃんと伝わる。
と。
「っ、!」
携帯の振動を感じて、思わず身を引いてしまった。
「蒼空?」