極上お姫様生活―2―【完】
隠された秘密と愛
「あんた……本当に蒼空に何もしなかった?」
「し、しつこい!もう仲直りしたってば!」
斎が血相を変えて飛び出してから数分後、斎の代わりに俺の元にやってきたのはあの女だった。
何しに来たと問えば、彼女は事細かに説明して。最後にひとつ、安堵か不安か分からないため息を吐いた。
言っておくが俺はまだ信じちゃいない。
「蒼空をいじめる奴は女であろうと容赦しない」
「いじめてなんかいないって……てか、可愛い顔して意外と腹黒いんだねー、えっと」
「中村遥登」
「あ、そうそう遥登」
名前も知らないくせに失礼なこと言わないでもらいたい。おまけに呼び捨てかよ。
「蒼空以外の前で可愛くいる必要はないから」
「ふーん」
興味無さそうに俺から視線を外し、カチカチと携帯をいじり始める女。……なんなんだよ。
「八木原斎、もう蒼空に逢えたかな、」
「……じゃん?」
「……」
なに、何で急にそんな思い詰めたような顔すんの。俺ここで待ってるだけで事情何も知らないんだけど。
「知ってることあんなら、全部吐こうか?」