僕の恋は花となる
花屋の名はclover
授業中初めて名前を知り初めて名前を呼ばれたあの子のことばっかり気にしていた。
キーンコーンカーンコーン
「はい。今日の授業は終わりだ。」
『終わりだー!!』
みんな声をそろえて言う。この学校は男子校。
出会いと言ったら隣の女子校があるくらい。
女子校ってもみんなブスブスブス!
俺は前を通るたびに”キャー!”だとか甲高い女子の声援を受ける。
バレンタインなんかひどいもんだよ。
朝から女子に取り囲まれる。おかげで毎年2月14日は遅刻。
学校が休みとなれば俺の高校と隣のお嬢様学校の生徒たちがデート中なんてことも
よくある。
隣でのんきな顔して寝てるユウキもその一人だ。
「おい!!なんか言ったか!?」
「なんも言ってねーよ。」
ユウキはのんきそうに見えてお嬢様学校のトップmoonに所属する山下カオリと付き合ってる。
ただ、カオリの親には猛反対されてるらしい。でも、何度も何度も親に挨拶して許してもらおうとしてる最中なんだぜ。意外と人を思えるいい奴なんだ。
そういえば俺たちの学校は池田高校。
隣のお嬢様学校はクリスタル・アワー・ユワー。略してクリアーユー。
なんで俺たちの学校の名前とお嬢様学校の名前に格差を感じるかって?
そんなの簡単だ。
俺の高校は初代の校長が池田だったから。
隣のお嬢様高校は初代の校長がクリスタルをこよなく愛す校長だったかららしい。
なんでこんなに詳しいのかって?
それは後々わかってくるよ。