優しいね、ポンチョ。
「なんとかならないの?」
「…、僕に自然の摂理を覆せと?」
「君なら出来る!」
「無理だよ」
そんなこと、出来る筈ないでしょう。
君は僕を何だと思ってるんだろうね、本当。
「むー」
「唸っても無理だし」
「しゃむい…」
なに、しゃむいって。可愛いから止めてよ。
「……」
取り敢えず手近にあったポンチョらしき布を掛けてみた。
赤いチェックのポンチョは前にボタンが付いていて、ストールの様だ。