竹姫心愛
two



次の日。

部活で大掃除だった。


繭のために
諦めるって決めたから
あたしはあまり前田と
関わらないようにしてた。

でも…



目が自然に追ってしまう。


…あ、前田がかぶってた
帽子がおちた…


反射的に
ひろってしまった。


「もー、前田!
帽子おとしたよ?」

「あ、
ありがとうございます。」

「うん。」

…て。
前田があたしに
お辞儀する形で
頭さしだしてる。

「…かぶせろってこと?」

「まぁ、そういうことに
なりますね。」


きゅーんっ!

ちょっ…めっちゃ
かわいいんですけど!

ドキドキしながら
帽子かぶせた。


ふと視線をあげると







あ…繭が見てた。

あたしは耐え切れずに
目をそらしてしまった…
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