屋上で


「………はぁ」




冷時がため息をついた。やっぱり顔は仏頂面。
というより何で?
私ため息つかれるような事言ったっけ?




「大丈夫だよ!私、冷時しか好きじゃないから!」



とりあえず訳も分からず本心を言ってみる。




「っ!………やべえ、嬉しすぎる」




そう言って冷時が嬉しそうにニコッと笑う。
と言っても口の端を数ミリ上げただけだけど。




でも、そんな貴重な笑みをみてドキドキする私も私なんだよね…




「やっぱりもう1回キスするか?」




「い…嫌だ」




絶対1回じゃ済まない。私の今までの経験がそう告げている。




「悪ぃ、聞こえない」







その後、冷時に顔中にキスをされたのは言うまでもない。


するなら聞かなくても良いのに……
< 102 / 235 >

この作品をシェア

pagetop