屋上で


「大丈夫か?」




「ありがとう。助かったよ」




鈴木は、悪い人じゃない。




「……お前、俺はいいけどその顔他の奴には見せんなよ?」




お礼を言っただけでコレだもんなぁ…
そんなに言わなくても良いじゃないか。




「うん。気をつける。

……じゃあ、どうやったら不愉快にならない顔ができる?」




「は?」




何で鈴木はポカンとしてるの?




「え、だって、さっき私の顔があまりにも変だったからその顔はやめとけって忠告してくれたんでしょ?」




「はぁ――…。冷時も大変だなー。ま、お前のそのムカつく愚鈍さは今に始まった事じゃねーしな」




何故かため息を吐かれてしまった。というより何で冷時がここで出てくるの?

しかも今、私の事愚鈍って言ったよね!?

だけど反論しようと思ったら話を逸らされてしまった。




「あ、それよりさ。バスケ部の顧問知らねえか?」




「え!?鈴木ってバスケ部だったの!?」




い、意外…部活してただなんて……
てっきり帰宅部だと思ってた。

ムカついていた気持ちはどこへやら、いつの間にか私は鈴木の会話にのせられていた。




「ちげーよ。助っ人で入るだけだ」




「助っ人!?鈴木そんなに上手いの!?」




「冷時の方がすげーよ。
陸上の代走やったりバレーのセッターやったり色々やってる。
……知らなかったのか?」




「うん、知らなかった」




というよりよほどの事が無い限りそんな制度設けられないと思うんだけど……


この鈴木と冷時って一体…
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