屋上で


「……分かった。じゃあ、冷時」




冷時が私との時間を大切にしてくれるのは嬉しいけど、やっぱりこんなのはおかしい。




「――…本気で頑張ってくれたら、冷時のお願い何でも叶えるから」




うぁぁ…恥ずかしいっ!

何言ってるんだろ私っ!



「“何でも”なんだな?」



「いえ…私に出来るという条件付きが生じます…」



「分かった。練習する」




えぇ――――――っ!?



自分で言って驚いてしまった。



いや、だって私に出来る事なんて限られてるし…

成績は冷時よりも下だし、お金持ちでもないし、力もないし…ダメだ。
マイナス要素しか浮かんでこない。


冷時は私に一体何をお願いする気なんだろう…?






「大丈夫だ。千春にしか出来ないお願いだから」





一瞬、背筋がゾクリとした。


でも、私の乏しい頭でどれほど頑張っても冷時のお願い事は思いつかず、結局は考える事を諦めたのだった。
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