屋上で
「話すに決まってるだろ?」
そうなんだ。じゃあ知らないのは冷時だけって事か。
「良いの?亜美は口堅いけど鈴木は冷時に言うかもしれないよ?
鈴木、口軽いし…」
「風上のためだって言ったらあいつは大丈夫だ」
……この人は一体どこまで人の気持ちを読み取るんだろう?
「それじゃあ、俺の頼みごと聞いてくれる?」
「うん。持田の頼みなら何でもするよ。
…私にできることなら、だけど」
「そうか。良かった」
持田にしては珍しく緊張しているのか何度もコーヒーを啜っている。
さっきまでの余裕は何処に?