屋上で


「皆の前でそんなに真っ赤になられても困るから、はい、練習」




わー…どうしよ…




「ほら、千春早く」




亜美も急かしてきた。


あーもうっっどうにでもなれっ!




「な、なぎさ…」




――――と思ったわりには情けない声しか出せなかった。



あぁ…ホント私ダメだ…

亜美みたいにあんな軽い感じに名前言えない…

やっぱり名前を呼ぶなんて抵抗がある…





「よし、もう1回呼んで?」




ですよねー…




「な、ぎ、さ…?」





――――ダメだった。




それから10回以上練習したのは言うまでもない。




冷時の時も(家に帰ってから)結構練習したからなぁ…
もちろん心の中で、だけど。
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