屋上で


「千春…」



「ずっと言いたかった…
でも、怖くて逃げてたの……
…私は狡い人間なんだよ?それでも…良いの?」




色んな言い訳をして。


色んな嘘を吐いて。



いつも逃げて。偽って。隠れてた。



私は……狡い。




でも。




「だから言っただろ。
俺は千春しか好きになれない」




冷時はそんな私を好きだと言ってくれる。




「私も…冷時が、好き」





冷時が私を抱きしめてくれた。


そして私も背中にゆっくりと手を回した。
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