屋上で


「くくっ……俺、今分かった」




「何が?」




「俺は千春のこと好きだった。
けど、それはどこかアイツに似てたから。


――…俺は本気でひとみが好きだったんだ。
あの頃はまだガキで何も分かってなかったんだ」




表情豊かなところとか、

おどおどしているようで自分の信念を曲げないところとか、

俺をよく見て気遣ってくれた優しいところとか…





「今も茶一はソイツのこと好きなのか?」




「今は千春って言ったらどうする?」




「いくら茶一でも千春は渡さない」




くくく…やっぱコイツは俺の一番の親友だ。
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