屋上で
「鈴木!やっと見つけた!
授業さぼって屋上にいたの?」
千春が少し強い口調で俺に言った。
息も切れている。どうやらずっと俺達を探していたみたいだ。
「お前等が屋上いるときは資料室にいたぜ」
教室へ戻っても授業を受ける気になれなかったしな。
「――鈴木、私に対して何か怒ってたりする?」
「はぁ?」
「だって…最近なんか連れないから」
「気のせいだ」
まぁ、きっと無意識に俺がコイツに対して自覚するのが嫌だったんだろうな。
「そっか…なら良いんだけど。なんかいつもの鈴木に戻ったね?」
「そうか?
まぁ、冷時と話してすっきりしたからな。
俺、バスケ部入る事にした」
やっぱり俺、バスケが好きだ。
「うん!そうしなよ!
絶対鈴木に合ってる!
応援必ず行くから!」
――…やっぱり似てる。
バスケ部はアイツを思い出すから自然と遠ざけていたが…今なら入れる。
俺も誓うよ、冷時。
俺はこれからはもう、後悔しねぇ。
過去をなかった事にして誤魔化して自分を偽るのはもうやめた。
零れた後悔を一つずつ、少しずつすくっていこう。
たとえそれがどんなに時間がかかったとしても。