屋上で


「波里、大丈夫か?」




そしてすぐに頭の上から聞こえたその声がさらに私の背中の汗を冷たくする。




「かざ、かみ君…」




どうしてここに…




「どうしても波里と話がしたくて…お前の友達に協力してもらった」




「亜美が…」




「なぁ、聞いてくれ。俺は波里のこと怒ってるんじゃない。それはお前の勘違いなんだ」




「そんなの、嘘だよ…」




「嘘じゃない。むしろ俺はお前に感謝してるんだ」




「そんなわけない…。私は風上君に酷いことをした…」








――…勝手に利用して無視したんだ――――…。



だから、恨まれることはあっても感謝だなんて…あるはずないんだ。
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