屋上で

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中学生の頃、私はいじめられっ子だった。


しかし転機は中学2年の春に起こった。


それは一冊の本が流行っていたことが事の始まりだった。




「今流行ってる"あなたに"って本は私が書いたの!!」




クラスの全員に伝わるように私は勇気を振り絞って大きな声で言った。




「はぁ!?あんたなんかが書けるわけないでしょ!?」

「そーよ!何寝ぼけたこと言ってんの?」

「そんなこと証拠見せてから言いなさいよ!!」




次々に私に飛んでくる罵声の数々。この3人は私をいつもいじめてくる人たちだ。



他のクラスメートはただ見てみぬふりをする人ばかり。



――――たった1人を除いては。




「へぇ、凄いな。波里は」




「ちょっとっ!風上君!まさかこの女の言うこと信じるの!?」




風上冷時はスポーツ万能。成績優秀。顔はモデル並みでおまけにクールということで密かにファンクラブが出来るほどモテている学校一の王子的存在だった。
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