屋上で
それはキラキラしていて別世界の住人のように思えた。
中でも―――
「桜子さんと冷時、息ぴったりだ」
「うん、ダントツで一番上手いわね」
まるで本当のお姫様と王子様だった。
「―――千春?泣いてるの?」
―――え?
私は目に手を当てて確認すると手は濡れていた。
「ごめん。感動しすぎたみたい。こんな顔皆に見られたら嫌だから、保健室で休んでるね…」
そう言った途端、亜美は黙って私の腕を掴んで講堂を出て行き、屋上まで連れてこられた。
――鈴木と同じことを…