屋上で


「あのね、冷時。私、冷時のことが好き。
やっぱり……自分の気持ちを隠して我慢するのは出来ない」




…振られ話、じゃないのか?




いや…この前もこの後に"付き合わない"って言われたから。
まだこの段階で期待したらダメだ。




「あぁ」




俺は無難に頷くだけにした。




「私、桜子さんと踊る冷時の姿見るの辛かった……
冷時に別の人と幸せになってほしいとか私言ったくせに……


―――本当は冷時の傍にいたい…ん、です」




耐えるんだ、俺。
これで全てがやっぱなしとかになる可能性もある。

だから、俺の理性が保つ内に聞いておかないと。




「つまり千春は、俺の彼女になってくれるのか?」




「……冷時がこんな勝手な奴でさえ良ければ」




バカだな、千春は。
嫌なわけないだろ?
< 91 / 235 >

この作品をシェア

pagetop