屋上で
実は亜美の強い主張で冷時・鈴木と私・亜美のペアは別々に昼食をとっていた。
そしてその亜美の言い分に冷時は猛反対。
「じゃあ、約束通り千春をこっちに譲ってくれる?」
結果、長い言い合いの末、亜美の条件を聞く代わりに冷時が昼ご飯を食べ終えた後は冷時が好きに私と過ごすというところで落ち着いていた。…勿論私はそっちのけで勝手に話が進んだのだ。私は2人の剣幕が恐くて何も言えず、鈴木もその場に居たけど大爆笑してるだけで役に立たなかった。
「早い!まだ昼休み5分しか経ってない!」
やはり亜美は不満なようで冷時をかなり鋭く睨みつけている。
うわー…また始まったよ…
「約束は約束だ。千春から離れろ。邪魔だ」
「冷時!亜美にそんな風に言わないで!」
いつも思う。冷時は口が悪い。優しい所沢山あるのにたまにこうした棘のある言い方をするんだ。
「……分かったよ」
だけど、すぐに私の意見を聞いてくれるから悪い事を言っているという自覚はあるんだろう。…あるなら止めてほしいのだけれど。
「いい気味だわ。じゃあね、千春」
…まぁ、亜美も負けず劣らずだけれどね。
「…うん、またね」
私も亜美に別れを告げた。