屋上で


上手く私の意志が伝わらなかったのか、彼は何度も角度を変えてキスをしてくる。



何でなの!?



人はこんなにアピールしてるのに……!



私達2人以外誰もいない屋上でリップ音だけが響く。


そして漸く冷時の唇が浅くなった瞬間に私は勢いよく彼を突き放した。




「す、すとっぷっ!!」




――…やっと止めてもらえた。



何回されても慣れないよ……。



顔が熱い…




「もう終わり?」




「充分でしょ!」





あれだけしといて何でそのセリフが出てくるのかが分からない!

…私はこんなに息が上がっているのに、冷時がキスする前と状態が変わらないというのも解せない。





「俺は一日中千春漬けでも…足りない」




「変態っ!」




真顔で言うから恐い。



しかも“漬け”って何!?


私漬け物の類じゃないよ!?




でも、ふと私が最近よく思うことがある。






冷時よく喋るなー…って。
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