《完》パーフェクトウエディング*社長の花嫁は16歳*
私は一人、取り残されていた。



そんな私のケータイに電話。
相手は捺さん・・・



「もしもし…留奈です」


ーーー私…哲子…


捺さんのケータイなのに、哲子さんの声。


ーーー会議が長引いて、その後は急な接待が入って、今夜は無理だって…


「え、あ…そうですか・・・」


ーーー今…新しい仕事で捺…忙しいの…こんな忙しい時期に、デートなんてさせないで。



「・・・」
哲子さんの怒声が私の鼓膜に響き渡る。


ーーー切るね



ケータイは一方的に切れた。
プププ・・・


無機質な音を暫く私は茫然と聞いていた。
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