《完》パーフェクトウエディング*社長の花嫁は16歳*
パーティを終えて、二人で夜景を見ようと展望スペースに足を向けた。



「…」


「…留奈は楽しくなかったよなー」


薄明かりの中で、私たちは夜空よりも輝く街を眺めた。




「…あの時は無理矢理…キスしてゴメン」


「…」



今更、謝られても…仕方がないけど。
私にとってあのキスが初めてのキスだった。



「!?」



捺さんは私の右肩を抱いて、そのまま自分の胸に引き込んでいく。


あの時の強引さはなく、私を優しくそっと壊れ物ように抱き寄せる。



「愛してる」


耳元に寄せられた唇から漏れる愛言葉。


< 270 / 324 >

この作品をシェア

pagetop