《完》パーフェクトウエディング*社長の花嫁は16歳*
「捺ねえちゃん…絵…上手だね~」


肩まで髪を伸ばした俺を女の子と間違えていた。



「…」


「髪くくらないの?」


「え、あ…別に…」


留奈は俺の髪に羨ましそうに触れる。
母さんを亡くして以来、俺は人との接触も避け、塞ぎこみがちだった。髪は母さんの面影を追うように伸ばしていた。



「あのボクは…男なんだけど」


「え~ッ!!?じゃあ~何で…髪、長いの??ねぇ~どうして??」


幼い留奈には俺が男だと信じられなかったらしい。
『何で!?』攻撃に遭い、俺はキレた。



俺の怒声で、泣き出す留奈。



「ウソだ…。女と思ってていい…」

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