わき役の私




同時に男子たちは目を見開いて固まる。



何事かと思ったが「そう言うの本人に聞けば?」という少し不機嫌な男子の声に、ビクッと体が跳ね上がる。


知らぬ間に、朝倉君が私の後ろにいて、男子の手を私の肩から払い落としていたんだ。



「あっ…朝倉…」

ビックリして細い声を出す男子たちに、朝倉君は不機嫌な顔のまま「深町ー」と美砂を呼んだ。


美砂が「何~?」と言いながらやってくると、
「こいつらがお前に聞きたい事あるって」と顎で男子たちを指して、その場に居た私の左手を掴んで歩き出した。



私は唖然としながら、朝倉君に手を捕まれたまま、朝倉君に連れられて教室から出る。




奥では美砂と男子たちの声がしたが、急な展開に私は朝倉君の背中を見つめる事しか出来なかった。




 
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