わき役の私
「うーん、甘いな~」と言いながら朝倉君はクッキーを飲み込み、私を見る。
私は、びっくりして声も出せずに、朝倉君を見ていた。
「あのさ、中山…何を勘違いしてるかわからないけど、
俺が好きなの深町じゃないから」
突然の発言に、美砂は「ふあっ!?」なんて変な声上げてるし、
教室にいる皆は「えっ!?」なんて声上げてるし、
隣にいた西田君なんかお菓子落としてるし…
ただ、皆が聞いて反応する中で、
朝倉君だけは、私から目をそらさないで、クッキーの手を掴んだままだった。
「俺が、深町のところにわざわざ来るのは、中山が居るから……深町と色々話してるのは、中山の事聞きたかったから……」
………何を……言ってるの……?