わき役の私

親友





「まひる、おはよー」


鈴をならすような心地の良い声で、美砂が私に言う。


自分よりも小さな美砂を見下ろしながら、「おはよ~」と笑顔で返す。


下駄箱で会って、教室まで一緒に歩くが、すれ違う度に美砂に対して「可愛い」という声が聞こえる。



その度に私は鼻が高くなる。親友がこんなにも誉められるなんて嬉しい限りだ。



でも最近では……
「美砂ちゃん、朝倉と付き合ってるのかな?」
という声が聞こえる様になった。



「朝倉」とは……


「あっ、深町~数学の教科書貸して」

「また?」

「わりー!」


今、美砂に教科書を借りようとしてるのが朝倉君だ。



朝倉……名前は忘れたけど、コイツも美砂と同じく異性からモテる。


顔のパーツ一つ一つが整っていて、世間で言えばかなりのイケメンらしい。


 
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