わき役の私
「ねえ、美砂?」
私は美沙に皆の聞きたいだろう質問を、皆に聞こえないように投げかける。
「朝倉君と付き合わないの?」
それを聞いた美砂は、一瞬驚いた顔をしたが、笑顔で「ないない!」と答えた。
…そんなにハッキリ!?
「あいつ好きな子いるしね~」
美砂はそう言いながら教室に入って行った。
……それって美砂の事なんじゃ……とツッコミしたかったが、人の事だしそこまで言うのはやめた。
朝倉君も美砂相手だと苦労してるんだね…
美砂の後を追って教室に入れば、クラスの子が口々に挨拶をくれた。
「おはよう」
席に着くと、先に後ろの席に座ってた西田君から挨拶された。
「おはよう」と、昨日の事もあり少し気まずさを持って返せば、
気にした様子のない西田君は、ズイッと顔を近づけてきた。
そして、ちらっと自分の席で皆から囲まれてる美砂を見ると口を開く。