わき役の私
「…それで、深町は好きな奴居るのか?朝倉とはどうなんだよ?」
さっき、私が朝倉君の事を美砂から聞いたのは、昨日西田君から聞くように言われたからだった。
「付き合ってないみたい。否定してたし」
気になってた人に別の子の事を聞かれるのは、普通なら耐えきれないものだろうが、
こういう状況を何回も繰り返している私には、
「いつもの事」なんだ……
いわば、主人公の近くに居る脇役…
西田君が「何だ~良かった!」と心から安心する。
そこへ、私の席までやってきた美砂が「何が~?」と笑顔で私と西田君を見た。
「うお!深町!!」
驚いて椅子を引く西田君に美砂は、「驚きすぎ」とクスクス笑っていた。
「あ!私、職員室行かなきゃ」
私は、そう言って立ち上がる。
「ついて行こうか?」と言う美砂に首を横に振って教室を出た。