年下のカノジョ~あの子は高校生~
「あ、あのっ。
 もちろん私も楽しみにしてますよ!」

「ありがと」


 
 そんな後から付け足すように言われても、フォローになってないよぉ。
 
 くすん。





「ごめんなさい、引き止めちゃって」
 由美奈ちゃんも携帯をしまった。

「いや。
 連絡を取れるようにしておけば安心だから」

「そうですよね。
 あっ。
 私、エリカを待たせたままでしたっ!」

「なら、早く戻ってあげないと」

「はい、失礼します」

「今度は転ばないようにね」

 俺が冗談交じりに言うと、由美奈ちゃんは頬を赤らめて『もう、転びません!』と言った。

 照れた様に笑いながら。




「じゃあね」
 軽く手を振ってやる。

「お疲れさまでした」
 由美奈ちゃんは駆けて行った。







 まぁ、そんなやり取りがあって、俺は思いがけなくも由美奈ちゃんの番号を入手してしまった。

 携帯を更にぎゅっと握る。

―――ボタンを押せば、由美奈ちゃんの声が聞ける。



 ほんの些細な出来事だけど、俺にとってはすごく嬉しい。

 これで彼女に一歩近づけた感じがする。




「うっふふ~ん。
 由美奈ちゃ~ん」
 携帯を胸に抱きしめた。
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