年下のカノジョ~あの子は高校生~
「弟クン、待ちきれないよね。
 ごめん」
 
 渋滞は俺のせいじゃないけど、時間に余裕を持って行動しなかった責任は自分にある。


『いいえ~。
 ちゃんと待ってますから、慌てないでくださいね』 
 由美奈ちゃんは俺の事を責める事もなく、優しく返してくれた。
 

―――やっぱり良い子だなぁ。


「うん、ありがと。
 じゃあね」


 携帯をポケットに収める。


 そして、何気なくルームミラーに映った自分の顔を見て驚いた。

「おうっ!?」
 そこには耳まで真っ赤にした俺がいた。




 店で話していたときは『職場だ』と言う意識が強く働く為か、割と平気だったのに。
 
 どうやら携帯で話すのは特別らしい。


「そりゃ、そうか。
 耳元で由美奈ちゃんの声がするんだから」



 でも。

 電話で話すだけでこんな調子じゃ、この先が思いやられる。




「はぁ、今日は弟クンが来てくれてよかったよ。
 由美奈ちゃんと職場以外の場所で2人きりだったら、緊張しまくるだろうし」


 俺は真っ赤に染まった頬を手の平でこすった。




 のろのろ進みながら、どうにか待ち合わせ場所に付いたのは3時15分過ぎ。

 公園の入り口に由美奈ちゃんと弟クンの姿があった。


 2人の前にすっと車を止め、俺は運転席から降りた。

「待たせちゃってごめんね」


「いえ。
 こちらこそ、今日はわざわざありがとうございます」
 由美奈ちゃんはにっこり微笑んだあと、弟クンを前に押しやる。


「ほら、ご挨拶は?」
 促されて、弟クンが口を開いた。
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