年下のカノジョ~あの子は高校生~
「よかったら抱っこしてみますか?
 ケージから出しますよ」

「いいんですか?」
 由美奈ちゃんの顔がぱっと明るくなった。

 店員がケージの入り口を開けて、取りだした仔猫を由美奈ちゃんに差し出した。

「どうぞ。
 お尻と背中をしっかりと支えてあげてくださいね」


 由美奈ちゃんはこわごわ手を伸ばし、仔猫を胸に抱いた。

 抱かれた仔猫は大きな瞳で由美奈ちゃんを見上げ、短く“ニャッ”と鳴いた。


「やぁん、可愛い!!」
 そっと抱き寄せ、仔猫にほおずりをする由美奈ちゃん。



―――うおーっ!!
   その猫になりてぇー!!
   ていうか、俺が由美菜ちゃんを抱きしめてぇー!!

 心の中で、俺、絶叫。




 すると由美奈ちゃんが突然こっちに向いた。

 ドキッ。

―――はは、心の声が聞こえたわけじゃないよな。




「どうかしたの?」
 俺が尋ねる。



 由美奈ちゃんは上目使いに俺を見上げる。

―――その仕草は犯罪だよ!
   可愛すぎる!!!





 そして、彼女は言った。

「・・・・・・いいですよ」


 小さく、ささやくように。
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