年下のカノジョ~あの子は高校生~
「さてと」



 椅子から立ち上がり、俺は通用口へと向かった。

―――ん?
   待てよ。
 
 俺は立ち止まる。

―――これは由美奈ちゃんに写真集を渡すいいチャンスじゃないかっ?!



 グイッと方向転換して、俺は男性更衣室に走った。








 ロッカーの中の網棚に置かれた平たく茶色い紙袋。

「いよいよ出番だ」

―――神様。
   意地悪だなんて言って悪かった。
   アンタ、いい奴だよ。



「今日こそは由美奈ちゃんに渡せますように」

 写真集を胸に抱きしめて祈った。

 



 通用口に立つこと5分。

 遠慮がちに扉が開いた。




「こんにちわぁ」
 由美奈ちゃんが顔を覗かせる。
 

 学校帰りらしく、制服姿だった。




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