年下のカノジョ~あの子は高校生~
「え?」
 由美奈ちゃんは俺の勢いに押されて、きょとんとしている。


「こ、この前さ、あのペットショップで見かけたんだ。
 えと、すごく可愛い仔猫が写っていたから、つい買っちゃって・・・・・・。
 柏木さん、猫好きだって言ってたし。
 だから・・・・・・、だから、貸してあげる」
 

 そう。
 単に『あげる』ではなく、『貸してあげる』ということにすればいい。



 ナイス・アイディア!

 そして、ナイス・神様!!




 面食らっていた由美奈ちゃんだけど、まばたきの後にっこり笑った。

「貸してあげるって言ったんですね。
 じゃぁ、遠慮なくお借りします。
 あ、中を見てもいいですか?」

「うん、どうぞ」
 俺はそっと額の冷や汗をぬぐった。


「わぁい」 
 嬉しそうに袋の封を開ける由美奈ちゃん。


 取り出した写真集の表紙に目を奪われている。。

 そこにはフワフワの白いタオルに包まれ、顔だけ出している三毛猫の仔猫が写っていた。


「いやぁん、かわいい~」
 
 由美奈ちゃんは次々とページをめくってゆく。

 その度に『かわいい、かわいい』と大はしゃぎだ。




―――由美奈ちゃんもかわいいよ。

 
 笑顔の彼女をこの腕に抱きしめてしまいたい衝動に駆られる。


 こんな間近で全開の笑顔を見せられたら、俺の正気が吹っ飛んでゆく。
 
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