年下のカノジョ~あの子は高校生~
 ちょっと手を伸ばせば簡単に抱き寄せられるほど、近くにいる由美奈ちゃん。
 

 ピクリ、と俺の腕が動いた。


―――だ、だめだ!
   耐えろ、俺!!
   踏みとどまれ、俺!!

 奥歯を噛み締め、こぶしをグッと握る。




 すぅはぁ、と深呼吸を繰り返す。

 どうにか持ちこたえることが出来た。
 



―――ふう、やれやれ。




「気に入ってもらえたのならよかったよ。
 続きは家で見たら?」
 これ以上はしゃぐ彼女を見ていられない。
 
 自分のためにも俺はそう申し出た。



「そうします。
 でも、私が借りてしまってよかったんですか?
 三山さん、まだ見てないですよね?」

「あ、まぁ。
 この先忙しくなりそうで、ゆっくり見ていられそうにないんだ。
 暇が出来たら柏木さんに言うから、それまで借りてていいよ」


「はぁい、分かりました」

 由美奈ちゃんは写真集を紙袋に戻し、持っていた手提げにしまった。



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