年下のカノジョ~あの子は高校生~
「ぷっ。
 いいねぇ。
 色っぽいというか、ほのぼのというか」

 なかなか愛嬌のある画像だ。


「う~ん。
 でも、三山さんの写真のほうがよく撮れていると思います」
 俺の画像と自分の画像を見比べる由美奈ちゃん。

「そう?」


 俺たちは互いの画像を見ながら、あれやこれやと盛り上がる。

「はい。
 やっぱりその子が一番綺麗に写ってます。
 本当に美人ですね、その猫」
 うっとりと由美奈ちゃんが言う。




 そうなのだ。

 そこに写っているモデルはすべて猫である。



 俺たちは猫の写真を撮って見せあう、ということを始めたのである。
 


 きっかけはあの仔猫の写真集。

 俺と由美奈ちゃんは顔を合わせると写真集のことでおしゃべりし、いつしか、この辺りには野良猫が多いという話に。



『それならどっちがいい写真を撮ってくるか、競争しよう』ということになったのだ。



 由美奈ちゃんはいつもより早めに出勤し、そこでお互いの成果を見せ合うというのが習慣となりつつある。
 
 この頃には俺の緊張もだいぶほぐれ、自然に由美奈ちゃんと話せるようになった。
 


 とはいえ、まだ完全じゃないけどね。

 油断するとつい妄想が爆走するし、胸のドキドキはやっぱり消えることはない。




 屈託なく笑って俺と話す由美奈ちゃんを見ると嬉しくなる。


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