年下のカノジョ~あの子は高校生~
「はぁ、なるほど」

―――タイミングねぇ。
   気にした事もなかったなぁ。

 ここで俺はふと思いついたことを、尋ねてみる。

「でも、俺が気持ちを伝えることで、柏木さんが俺を意識してうまく行くっていうことはありえないのか?」


 そうだよ。

 俺の言葉がきっかけになるってことも、あるんじゃないのか?




 赤川はじっと俺を見て、言った。

「う~ん、それはないですね」



 簡単に否定されてしまった。
 クスン・・・・・・。



「100%そうだとは言いませんが、失敗に終わる確率が高いです。
 まぁ、僕の言葉を信じるかどうかは三山さんに任せますよ」
 2杯目のサワーを喉に流し込む赤川。


「前にも言ったように、僕の力では的中させることは出来ませんから。
 それより、三山さん自身はどう考えているんですか?」
 グラスを置いて、俺の目を覗き込む。


「どうって・・・・・・。
 そうだなぁ、とりあえずは親しくなろうと思って。
 何しろ11才も年の差があるだろ。
 そんな俺がいきなり告白しても、受け入れてもらえそうにないからって考えて、そろそろ2ヶ月が経つよ」

 ぐっとウーロン茶を飲み干すと、静かに笑っている赤川と目が合った。

「・・・・・・なんだよ」
 
「あ、いえ。
 なんだかんだ言っても、三山さんは流れに沿って動いているんですねぇ」
 
「流れ?」
 


―――なんだ、それ?
 

 またしても、俺には理解できない言葉が奴の口をついた。
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